Kodaira house

kodaira house 戸建て住宅 / 木造 / 東京都小平市

マーブルケーキのような快適さ

夫婦と子供のための住宅です。家族で過ごすスペースと、それぞれの個室とを、完全に分けてしまうことは好ましくありません。かといって、すべて一続きにしてしまうのも考えものです。

そこで、それぞれのスペースをマーブルケーキのように混ぜ合わせた住宅を考えました。少しだけ混ざり合うことで、ふれあう面が多くなり、穏やかで気持ちの良い距離感がうまれます。
スペースが多彩に混ざり合い、変化に富んだ毎日が始まります。

やわらかくつながるスペース

階段がクッションとなり、リビングルームとダイニングルーム・キッチンとが緩やかにつながります。階段を通して、上部のサンルーム、屋上へともつながります。
また階段は屋上からの光を届けるライトウェルの役割も果たし、中心から室内を柔らかい光で満たします。

開放的で落ち着いた住空間

リビングルームからダイニングルームを見る:周辺建物の窓と向き合わないように開口の大きさや位置を調整することで、住宅街の中で光や風を十分に取り込んだ生活が楽しめます。陽の動きや四季の変化といった豊かな自然が感じられる毎日です。
収納をたくさん設けることで、すっきりとしたスペースが無理なくキープできます。写真左のカウンターは床から少し浮くように計画して部屋を広く見せるようにしています。

周辺建物を借景に

キッチンからダイニングを見る:正面に味わいのある壁面の建物があり、借景として利用しました。カウンター正面の窓から視線が外へと抜け、陽射しや風の流れが感じられる気持ちの良いキッチンです。
アイランドタイプのキッチンで使い勝手や収納力も抜群です。料理や片付けの時間も家族と同じスペースを共有できますし、食育にも効果的です。

伸びやかな子供部屋

屋根勾配に沿った天井として、伸びやかな空間として設計しています。高さを持たせることでコンパクトながら豊かなスペースとなりました。
建物の中に様々なかたち、大きさ、明るさの部屋を設けることにより、用途や気分によって使い分けることができ、変化に富んだ生活が楽しめます。
天井に映っている光は、屋上から階段室を通って子供部屋に入った陽射しです。

平面図、断面図

共用スペースと、個室がマーブルケーキのように混ざり合います。一体化するのではなく、それぞれのスペースを設けながら、互いがほのかに関係しあうよう組み立てました。

窓を通して子供部屋と共用部がやわらかくつながります

屋上からの光が、高い窓から子供部屋の奥へと広がります。
階段からは子供部屋の中は見えないように窓を配置しました。気配は感じますがプライバシーは保たれ、互いに快適にすごせます。

子供部屋(左)とサンルーム(右)

共用スペースと個室とをマーブルケーキのように混ざり合わせ、近すぎず遠すぎず快適な関係をつくります。
部屋ごとにかたちや素材、色や明るさなど異なったキャラクターとなるように計画し、多様な住空間を目指しました。

階段をとおしていろいろな場所がつながります

正面はサンルーム、下階はリビングルーム。右上に見える屋上からの光が、階段を通じて家中を満たします。光をより多く届けるため、階段はスチールで軽快に作られています。
写真左下の床は透明になっており、光を届けます。
人工の照明や空調よりも太陽光や自然の風はなにより気持ちが良いですし、自然エネルギーを利用することは省エネルギーにも貢献します。

サンルームから子供部屋を見る

写真中央は子供部屋の窓。互いの気配がさりげなくつながります。
建物の形状を活かし、屋根裏を設けずに天井を高くすることで伸びやかな部屋となりました。

サンルームと階段

階段のまわりにバラエティに富んだ部屋やスペース、屋上が表れます。
サンルームの壁と天井は黒くして特徴をつけています。黒色は住宅の中で古くから使われてきた色で、畳との相性もとても良く住空間に馴染みます。

黒く明るいサンルーム

畳敷の黒く明るいスペースです。ひなたぼっこや読書、昼寝などが楽しめます。
床座となることから、目の位置に合わせて窓の位置は低めに設計しています。琉球畳を利用し、コンパクトさを感じさせないスペースとしました。

ルーフテラスとサンルーム

右側のルーフテラスから光が流れ込みます。階段は空気の流れ道となり、効率的に換気が行え新鮮な空気で室内を満たします。
互いの気配や光を伝えるよう、写真下の踊り場の床は透明な材料で設計しました。

開放的なルーフテラス

屋上テラス:適度にプライバシーが保たれ、落ち着いた屋上はランチやお茶にぴったりです。
気軽に使える屋外スペースが住宅にあることで自然に外へ外へと引き出され、生活が豊かになります。

ホビールームと駐車場

ちょっとしたスペースを設けることで、生活の幅がぐっと広がります。建物の中に「はなれ」のような場所をつくることで、住宅の中で様々な距離感が楽しめます。

くびれた外観

駐車場としても利用できるよう、くびれた形状として設計しています。足下がすぼまった形状はボリューム感が減じられ、やわらかい印象で街並みに馴染みます。

kodaira house を最後までご覧頂きありがとうございました!

photograph : Nacasa & Partners Inc.

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