吉原美比古建築設計事務所

niwamado 戸建て住宅 / 木造 / 神奈川県相模原市

ニワ+マド=ニワマド

住宅街にふさわしい窓の大きさについて考えました。広い庭には大きな窓を向けることができますが、市街地ではなかなかそうはいきません。そこで庭と窓のセットを「ニワマド」とし、建物を立体的に包みます。

コンパクトなマドニワは隣の窓やちょっとしたスペースといった建物を取り巻く状況にきめ細かく対応し、周辺環境に対して閉じすぎず開きすぎず、互いに快適な関係をつくります。

少しだけ滲み出ます

ニワマドで建物を包むことによって周辺環境と快適な距離感でつながるよう設計しました。植物や窓ガラスの反射、壁の厚みなどにより、なかの雰囲気が少しだけ滲みだし、親しみのある外観になります。
住宅街の窓は残念ながら殆どがカーテンで固く閉ざされています。周辺の建物や道路と十分に離れていればよいのですが、市街地での距離感に対しては、窓のサイズが大きすぎるのではないでしょうか?住宅街の近接した距離感にはコンパクトなニワマドが適しています。

好きなものに囲まれたサンルーム

サンルーム:ニワマドに植物やお気に入りのコレクションを置くことで、好きなものに囲まれた生活が楽しめます。鉢植えや調度品は周辺との間のクッションとしての役割もはたし、オープンさと落ち着きを兼ね備えた住空間をつくります。
好きなものを通せばいつもの風景も素敵な景色になります。カフェのように開放的でくつろげるスペースを日常に。

ニワマドに包まれた生活

ダイニングルームよりサンルームを見る:植物はディスプレイとしてはもちろん、周辺と建物とを快適につなぐ役割も果たします。そう、庭の役割です。コンパクトな庭と窓がセットになった「ニワマド」に包まれ、オープンさとプライバシーを兼ね備えた気持ちの良い生活が始まります。

なかとそとへのディスプレイ

夜景:植物やお気に入りのオブジェ、調度品などは室内はもちろん外へのディスプレイにもなり、なかの雰囲気が少しだけ滲み出します。建物のまわりの環境も改善するよう計画しました。カーテンで閉じた建物とちがって親しみに溢れた建物です。

サンルームとリビングルーム

外のような陽射しや風をプライバシーを保ちながら楽しめるよう設計しています。住宅街の中で自然を感じながら毎日が過ごせます。
人工照明や空調よりもなにより自然の陽射しや風は気持ちが良いですし、自然エネルギーを利用することは、省エネルギーにつながります。

引き戸によって用途に合わせたスペースに

サンルームとリビングルーム:限られたスペースを引き戸によりフレキシブルに活用できます。視線を通しながらある程度音はコントロールできるので、音楽を聴いたりこどもをあそばせたりと便利に使えます。

平面図

2階を家族のためのスペースとし、1階大人のスペースと3階子供のスペースが挟む構成です。

ダイニングルーム(奥はキッチン)

ダイニングルーム(奥はキッチン):写真手前のサンルームと写真奥のキッチンは天井を高くして変化を付けています。ひとつながりのスペースですが、用途に合わせたかたち、明るさに設計しています。
キッチンとダイニングは上部でつながります。キッチンの入り口には引き戸があり、お子様や急なお客様など、使い勝手が良いです。

光溢れるダイニングルームとサンルーム

高い天井から部屋の奥まで陽射しが差し込み、カーテンなしでも気持ちよく過ごせます。
部屋の対角など効率的に窓を配置し、隅々まで新鮮な空気と光を導きます。自然のエネルギーで快適に過ごすことができます。

機能的なキッチン

リビングと上部でつながります。コンパクトなニワマドは、周辺の窓を避け自在に配置できます。植物は階段から手入れします。
たっぷりの収納により無理なく片付いた状態がキープできます。

階段より見下ろす

上部はこどもたちのスペースとなっており、階段によりやわらかくつながります。
階段は空気の通り道にもなっており、効率的に重力換気が行えるよう設計しています。

3階ホール

こどもたちの洗面台。オープンな構成で気持ちよく朝の時間が過ごせます。
手摺はナラ集成材で製作しました。

子供部屋

間仕切りの開け閉めにより、柔軟に利用できます。
勉強部屋は子供部屋とは別に設け、集中して効率的に勉強に取り組めるように計画しました。子供用の納戸も設け、子供部屋はコンパクトに計画しています。

勉強部屋

子供部屋とは独立した共用の勉強のためのスペース。窓の下に机を3つ並べる予定。住宅街でも3階の高さでは視界が抜ける方向があり、気持ちよく勉強できます。
座って集中できる天井の高さに設定。

お客様とのコミュニケーション用模型

設計ではこうした模型を作成し、お客様と具体的なイメージを共有します。ご意見などの確認をおこないながら設計を進めます。

外観

植物や調度品、壁の厚み、ガラスの反射などにより、カーテンなしでも快適にオープンな生活が楽しめます。
特に日中はそとのほうが明るいことから、室内の様子は僅かにしか分かりません。
建物の足下がすぼまった形状は駐車場として利用するため。視覚的にボリュームを減じることとやわらかいかたちとして街並みに馴染ませる効果もあります。写真奥の庇は駐輪スペー

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夕景

外観:内部の構成が一目ではわからないような立面として、オープンになりすぎないよう設計しています。

niwamado を最後までご覧頂きありがとうございました!

photograph : Toshiyuki Yano

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